※USB Power DeliveryはUSB-PDと略します
最近のUSB-PD対応のモバイルバッテリーは高電圧の出力が可能な物が増えてきました
実機を全部分解して検証するのが望ましいのですが検証台数が増えてきて分解せずに予測が可能になって来ました
内部は封印されている物なので写真で紹介は避けたいと思います(企業秘密ありますしね)
実際にある電池が脱着可能なモバイルバッテリーケースを例にして見ていきます
1世代前の大容量18W出力モバイルバッテリー
USB-PD 18W入出力可能な580円のモバイルバッテリーケースX8です
X8のUSB出力は最大12V18W 入力は最大9V18Wになります 内部は3.6Vの電池が並列に接続されています
制御基板から一番近い塩ビ管部分は稼働時50℃位になるので熱対策のダミーです
5V出力のタイプのモバイルバッテリーも基本この接続方法になります
X8の充電入力は5V 3Aと9V 2Aです 充電入力はUSB-PDとクイックチャージに対応しています
リチウムイオン電池の満充電電圧は4.2Vになります
電池の充電の為の供給電圧は充電電圧以上で降圧して使っています
特に難しい構造ではなく電池の本数も簡単に増やせる為電池を12本セットして30000mAhという物も存在します
出力が今の時代ではスマートフォンが充電できる程度で大容量としては全然不足しています
また回路に入る電圧が3.6V程度と低い為出力を大きくすることは出来ません
大きくする場合は流れる電流が10A程度必要で回路や接点の電流許容値が不足してきます
あると便利な大容量60W+α出力モバイルバッテリー
USB-PD 60W(20V 3A)出力なモバイルバッテリーケースQD188-PDです
3.6Vの電池が2本ペアで4セット直列に繋がっています
外国のブログ等の紹介では4 Series 2 parallel (4S2P)と表記されたりもします
このモバイルバッテリーの出力は最大85W出力可能なタイプです
出力は最大24V85W 入力は最大20V2A
3.6Vから24Vまで昇圧は効率が悪すぎる為3.6×4で14.4Vを電源として使っています
X8と比べると単純に電圧が4倍になっているので電池の許容電流以内であれば出力電圧は2~3倍ほどあげられます
出力出来る電力も昇圧より降圧の方が変換効率が高くなります
8本の18650電池を使うタイプは他にも8本直列に接続された物もあります
モバイルバッテリーの電池の充電は入力された電圧を昇圧又は降圧して使います
QD188-PDは高電圧入力時の充電は4直列のまま行われますがセットしている電池の個体差等が出ても良いようにバランス充電の機能(BMS)がついています
4セット直列のままで充電すると容量の微妙な違い等から特定の電池に負担がかかるのを防ぐための回路です
内部解説は気が向いたら記事にします
4直列が使われているモバイルバッテリー
Omars PowerSurge 10000~24000のシリーズ
解説
Omars PowerSurgeはクイックチャージ出力の回路に昇圧回路がありません
クイックチャージで12Vで出力時残量が少なくなると電源の電池の4直列の電圧が11V位まで下がってきます
出力電圧が下がるのに合わせてクイックチャージ12V出力も下がってくるので判明しました
3直列が使われているモバイルバッテリー
iMutoZ2
解説
先のOmars PowerSurgeと同じくクイックチャージ出力の回路に昇圧回路がありません
クイックチャージで9Vで出力すると残量が少なくなると電源の電池の3直列の電圧が7.8V位まで下がっていきます
出力電圧も下がるのに合わせてクイックチャージ9V出力も下がってくるので判明しました
表記にて直列接続がわかる物
電源電圧が3.7V以外で書かれている物は分かり易いです
内部でも表示電圧になる様に直列接続で電池がつながれています
この場合3.78Vセル(満充電電圧4.35V)が2本直列で繋がれていました
電源はUSB-PD等のソフト面も大事ですが実際に入出力するハードもセットで考える必要があります
両方揃っている良機種はほぼ無く私は未だにアマゾンの奥地や中国の電脳街奥地でお宝を探す旅を続けています
まだ1機も出て来てはいませんが気力の続く限り探します
普及点まで行くモバイルバッテリーが出て来れば良機種として紹介したいと思います
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