意外な所で発見したモバイルバッテリーがあり早速注文しました
※クイックチャージはQCと略します
USB Power DeliveryはUSB-PDと略します
前回の2022年版のZENDURE SuperTankが微妙な改良として出力専用USB-PD端子が無くなっていました
ラップトップやタブレット等をモバイルバッテリーを使って充電する場合に意図しない向きで充電(放電)されることがあります
具体的にはモバイルバッテリーからラップトップに電力が供給されずにラップトップからモバイルバッテリーに電力が供給されてしまう現象です
回避方法はいくつかありますが私自身の体験で一番確実な方法は出力専用端子をもつUSB-PD対応モバイルバッテリーを使う方法です
出力専用USB-PD端子をもつモバイルバッテリーは大型の物ではちらほら程度にあります
ラップトップやタブレットの充電に使う前提の大きさとなると中々ありません
前置きはここまでで対応しているモバイルバッテリーCIO SMARTCOBY TRIO 65Wを発見したので早速注文
CIO SMARTCOBY TRIO 65Wで8778円で各サイトで販売されています
出力はUSB-C端子側出力を計測
USB-C端子側はUSB-PDの入出力でPDと記載
空から満充電までの時間は65W充電にて説明書等の記載通り約1.6時間です
急ぐ時は1時間で8割程度蓄電されています
私の所有する個体自体の問題や不具合又は故障の可能性もあります
参考程度に読んでください
テスト時に95W出力後に気づきましたが側面接合部分が浮いていました
パススルー対応です
パススルー対応でTRIO 65W充電中でもUSB-C2,A端子側から出力が可能です
USB-PDにて65W出力は出来ますが容量は他の21700セルを使っているモバイルバッテリーと同様です
出力専用USB-PD端子に価値を見いだせれば使えるモバイルバッテリーだと思います
要約すると
×3A対応ケーブルで5A出力の通知が出る(供給オーバー)
×筐体の接着が甘い(割れた)
〇出力専用USB-PD端子がある
〇小型
目次
仕様
型番 | CIO-MB65W2C1A-20000-BK |
---|---|
内蔵バッテリー | 18000mAh 64.8Whリチウムイオンバッテリー |
充電入力電圧/電流 | USB-C PD DC 5-20V/3A 60W MAX |
USB出力電圧/電流 | USB-A 5V/2.4A USB-C1 DC 5V,9V,12V,15V/3A 20V/3.25A 65W MAX USB-C1 PPS 3.3V-6V/3A 3.3V-11V/5A USB-C2 DC 5V,9V,12V,15V/3A 20V/3.25A 65W MAX USB-C2 PPS 3.3V-21V/3.25A USB3出力同時最⼤95W (USB-C PD 65W+USB-C PD 30W) |
充電時間 | 約1.6時間(USB-PD60W急速充電器使用時) |
外寸 | 150 x 71 x26mm |
質量 | 410g(実測394g) |
付属品 | なし |
PSEマークあり 株式会社CIO
赤文字部分は実機を調べて多少違った所です
記事内ではTRIO 65Wと呼称します
表面は加水分解が起きそうな滑り止めの細工がしてあります
残量表示は数値表示です
充電での入力時はバッテリーマークの表示で大雑把な表示になります
入出力端子部分
左側USB-C2出力端子はUSB-PD出力等に対応
左 USB-C1 USB-PDのPDO対応出力
右 USB-C2 USB-PDのPDO対応出力
左 USB-Aの対応出力
右 USB-Cの対応出力
USB-AとUSB-Cの対応充電規格はAuto Enumerateの通りです
本来はUSB-C側はUSB-PD規格以外に対応してはいけない事になっていますが…私は利便性優先で良いと思います
本来はUSB-C側はUSB-PD規格以外に対応してはいけない事になっていますが…私は利便性優先で良いと思います
USB-PDの出力通知ですがC1端子側のみ3Aケーブルを使っているのに5Aの通知が出ていました
65WのUSB-PD出力対応電源機器で良く見ますが上限超えているため余力の無いケーブルでは危険です
実使用では1割程度の過電流なので問題は無いとは思いますが心配な方は5A対応ケーブルを使った方が良いです
C2端子側はケーブルのeMarkerの電流制限をきちんと読んでいて制限が掛かったPDOを送ってきます
色々突っ込みどころ満載です
C1はダメでC2は問題無しという良く判らん仕様?です
入出力の実効値
出力はUSB-C端子側出力を計測
USB-C端子側はUSB-PDの入出力でPDと記載
USB-A端子側はクイックチャージの入力でQCと記載します
出力負荷 [VA] | 平均電圧 [V] | 電力量 [Wh] | 容量 [mAh] | 出力時間 [h:m:s] | |
---|---|---|---|---|---|
PD20V 3A (60W) | 19.64 | 54.00 | 2749 | 0:54:00 | |
PD15V 3A (45W) | 14.74 | 56.23 | 3816 | 1:29:40 | |
PD12V 3A (36W) | 11.83 | 56.25 | 4756 | 1:47:20 | |
PD9V 2A (18W) | 9.00 | 52.96 | 5886 | 2:57:20 | |
PD5V 2.6A (13W) | 4.86 | 49.85 | 10264 | 4:05:10 | |
充電入力 [VA] | 平均電圧 [V] | 電力量 [Wh] | 容量 [mAh] | 満充電時間 [h:m:s] | 80%充電時間 [h:m:s] |
PD20V 3.25A (65W) | 19.99 | 68.59 | 3432 | 1:34:30 | 0:52:40 |
PD20V 2.25A(45W) | 20.00 | 70.16 | 3501 | 1:58:50 | 1:16:10 |
PD15V 2A(30W) | 14.80 | 68.08 | 5000 | 2:39:30 | 1:52:30 |
PD9V 2.2A(20W) | 8.83 | 69.81 | 7904 | 3:42:10 | 2:55:20 |
QC9V 3A(27W) | 9.11 | 66.06 | 7248 | 2:34:10 | 1:57:40 |
空から満充電までの時間は65W充電にて説明書等の記載通り約1.6時間です
急ぐ時は1時間で8割程度蓄電されています
QCアダプターでの入力は出力電力を監視しながら最大9V3Aでの充電電力に対応しています
最近の60Wマルチポート充電器はQC2.0 Class B対応の物がちらほら見かける様になりました
Class B対応のアダプターで試しましたが問題無く9V/3Aで27Wでの充電になりました
蓄電容量ですが74Whの入れ物に対して68Wh程度しか入りませんでした
21700のリチウムイオンセルを使っているモバイルバッテリーです
いくつかの21700セルの容量試験をしたことがありますが高容量セルで4500mAhの物が上限容量の様で5000mAhはあくまで呼称容量です
4500×4で18000mAh/3.6Vの64.8Whを実容量として考えます
入出力電圧別の効率について
蓄電量は恐らく容量で64.8WhとしてUSB-PD側で変換率を出します
実効値から推測すると60~65Wh程度の容量の様です
蓄電量は恐らく容量で64.8WhとしてUSB-PD側で変換率を出します
入出力 [VA] | 充電入力効率 [%] | USB出力効率 [%] |
---|---|---|
20V 3A (60W) | 93.3 | 83.3 |
15V 3A (45W) | 95.3 | 86.8 |
12V 3A (36W) | 86.8 | |
9V 2A(18W) | 92.8 | 81.7 |
実効値から推測すると60~65Wh程度の容量の様です
記載のある20000mAh(74Wh)は呼称容量の様で離れすぎです
ここから他所では書かれていない?ウチのウリの部分
ここから記載する事はまったく問題にならない可能性があります
私の所有する個体自体の問題や不具合又は故障の可能性もあります
参考程度に読んでください
USB-CケーブルのeMarkerをキチンと判別していない
USB-C1端子側はUSB-CケーブルのeMarkerの有無に関係なくPPSの電流通知が5Aの通知が来ます
USB-C2端子側はeMarkerをキチンと判別し電流通知も読んでいます
電流通知はケーブルによって3Aに制限された通知も出ました
何故かC1端子とC2端子の挙動が違うのか
何故かC1,C2同時使用時はまた挙動が違うのか
C2端子側判別しているならC1端子側も判別出来る様にできそうな気がしますが…謎ですね
筐体溶着が甘い
テスト時に95W出力後に気づきましたが側面接合部分が浮いていました
本体撮影時にはピタッと付いていました
いつの間にか緩んだようです
いつの間にかカパカパしていて中見てくれと言わんばかりに開きました
接合部分は溶剤で筐体プラスチック接合部分の襞を溶かして接合している様です
襞がきちんと溶けていないので製造方法が雑なんでしょうね
リクエストがあったので表示部の写真を追加しました
USB-PD PPSのPDOが汎用では無い
PPSの抱容ですが汎用設定では無く恐らく特定の機器に特化した設定になっています
POCO X3 GTはPPS対応ですがこのモバイルバッテリーは特化した設定でPPSでの充電が有効になりませんでした
3.3-6V/3Aが邪魔らしく3.3-11V/5Aが有効になりませんでした
パススルー対応でTRIO 65W充電中でもUSB-C2,A端子側から出力が可能です
統括
USB-PDにて65W出力は出来ますが容量は他の21700セルを使っているモバイルバッテリーと同様です
出力専用USB-PD端子に価値を見いだせれば使えるモバイルバッテリーだと思います
わかる。スマート切替とか大体スマートじゃないし、切替スイッチとか人間様が気づいて切り替えろとかあほくさい。
返信削除コメントありがとうございます
返信削除本来USB-PDは入力と出力を切り替えるパワーロールスワップがあるのですが、最近のモバイルバッテリーでは機能が搭載された物を見なくなりました
最近のモバイルバッテリーではUSB-C端子でのUSB-PDの入出力は実質切り替えが不可能で、入出力の決定は優先度の様な設定?の反応をする様になりました
そうなると物理的に出力専用端子があるモバイルバッテリーが都合がよく結局物理スイッチが使いやすいんですよね
外装は透明樹脂でドットLEDの穴の箇所をマスキングしてマット塗装をしてるんでしょうかね?あまり見ないデザインでとても興味深く、製造法が気になっていまいました。
返信削除残量表示部分のみドット打ち抜き表示になっているようです
削除またドットLEDの表示が反射光で飛び散らないようにスモークカット処理をしているようです
わざわざドットLED箇所の画像追加いただきありがとうございます!なるほど、こういう構造になっているんですね!興味深いですね。(コメントがダブってしまい申し訳ありません。もう一つの方全然削除してください、、)
削除LEDの表現があまり見ないデザインだったので興味深いですね。透明な樹脂にドット部分をマスキングして、マット塗装をしてるんでしょうかね?
返信削除コメントありがとうございます
削除バラバラになったまま保証には出していないので後日画像上げます