謎はすべて解けた SMARTCOBY 8000編

 この記事で5台目となる10000mAhクラスのUSB Power Delivery規格対応のモバイルバッテリーを購入しました

※USB Power DeliveryはUSB-PDと略します

 先日アマゾンで購入した物は4台すべて表記があるのにUSB-PDのパワールールで5V 3Aが無い物でした

 今回の物はクラウドファンディングサイトMakuakeにて出ていたらしい物になります
 購入はAmazon.co.jpにて合同会社テックガジェット販売の物を3608円で購入しました


 実は購入してからクラウドファンディング生まれに気づきました
 わかっていれば購入していませんがまぁどうなるかな~

 要約すると

 ×表記容量より2割程足りない?
 ×5V以外の急速充電は入出力ともに効率が悪い
 ×USB-PD 5Vは2.4A出力の規格違反仕様
 ×高出力時は低温やけどをする温度(57℃以上)になる
 △小さく軽い…容量でみると普通かな?
 △急速充電器が不要
 〇日本向け?でLightning端子入力
 〇iPhoneと日本仕様アンドロイド向け

 欠点が問題ありますがiPhoneで使うならアリですね

目次


仕様


型番 CIO-SMCB8000
内蔵バッテリー リチウムイオンバッテリー 8000mAh / 30.4Wh
充電入力電圧/電流 USB-C DC 5V/3A 9V/2A 18W MAX
Lightning DC 5V/2.4A
USB出力電圧/電流 USB-C PD3.0/QC4+ DC 5V/3A 9V/2A 12V/1.5A 18W MAX
USB-A DC 5V/2.4A 4.5~5V/4A 5-6V/3A 6-9V/2A 9-12V/1.5A
Fuawei SCP時 20W MAX
充電時間 約3時間(急速充電器使用時)
外寸 90×65×13mm
質量 137g(実測 141g)
付属品 USB Type-A to Cケーブル,ケーブルタイ,ポーチ,ストラップ

 PSEマークあり株式会社CIO
 赤文字部分は実機を調べて違った所です


 iPhoneでの使用がメインなのでしょうね
 付属ケーブルは100均で見たことある様な…
 モバイルバッテリーの色は白もあります
 記事内ではCOBY8000と呼称します

サイズや重さ



 大きさはカードサイズをうたっており小さいです
 先日紹介したSTYLED5000mAhとほぼ同じ大きさです
 記事書いてます見てやってください
 STYLED 5000mAhが100g位なので回路等を含むと容量8000mAhは凄いと思います
 重量から見ると無理な気がしますが…

本体表記部分



 入力表記はTYPE-CとLightningで別に記載されています
 PSEマークの表示は並びから見ると社名表記が無いのでダメですね
 左下にある?…それはたまたまそこに社名表記があるだけです

デザイン等



 表面は粘着系の素材で滑らないのですがゴミが付きます
 残量表示と逆側に電源スイッチがあります
 急速モード時は右側の表示が緑色に点灯します


入出力端子部分



 左側はUSB-C入出力兼用端子でUSB-PD入出力とクイックチャージ入出力に対応
 真ん中はUSB-A出力端子でクイックチャージ充電規格対応で18W
 右側はLightning入力端子です


 USB-AとUSB-Cの対応充電規格は同一でAuto Enumerateの通りです
 ファーウェイと各社アンドロイドとiPhone等のスマートフォンの充電に便利な急速充電に対応しています
 QC4+対応なのでPPSも対応です

 本来はUSB-C側はUSB-PD規格以外に対応してはいけない事になっていますが…私は利便性優先で良いと思います

 USB-PDは説明書や本体記載と違い5Vは2.4Aしかありません…不思議だ
 PPSが5V3Aあるのに何故Fixは5V2.4Aなんだ…iPhone用に特化か?
 表記と違う時点で論外ですがUSB-PDの出力の規格に沿っていません
 USB-PDで18W出力出来る物は5V 3Aと9V 2Aが規格で必須と定められています

 USB-PD 5V3A出力が必要な場合はCOBY8000は非対応で使えません

 USB-PDでの受電ですが通知された通りにきちんと動きます

 COBY8000のUSB-C側ですがUSB-PD対応5V充電器の使用が可能でした
 SWITCHのアダプタではUSB-PDの通知通り5V1.5Aで受電します
 USB-PD 5V2Aのみのアダプタでも5V2Aで受電していました

 USB-PD 5V3A探そう企画で5つ目ですが初めてまともに通知通りに受電する機種を見ました
 従来のUSB TYPE-Aの充電器では最大で5V2.8Aで受電出来ます
 従来の充電器では出力電圧を監視して充電器側が過負荷にならない様に制御しています

入出力の実効値


 出力はUSB-C端子側とUSB-A端子側の出力を計測
 USB-C端子側はUSB-PDの出力でPDと記載
 USB-A端子側はクイックチャージの出力でQCと記載します

出力負荷 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]出力時間 [h:m:s]
PD12V 1.5A (18W)12.0214.6312180:48:54
PD9V 2A (18W)8.8715.3417280:51:48
QC12V 1.5A (18W)11.7615.5413220:52:54
QC9V 2A (18W)9.1715.8717300:59:00
QC5V 2.6A (13W)4.9917.9635991:21:54
5V 1.9A (10W)5.0421.2442092:12:48
充電入力 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]満充電時間 [h:m:s]80%充電時間 [h:m:s]
PD9V 2A (18W)9.0130.6934072:15:241:33:00
QC9V 2A (18W)9.2730.0132382:05:481:28:06
Type-C 5V 2.8A (14W)5.0929.5458032:11:481:39:00
Lightnung 5V 1.7A (9W)5.0929.4857903:25:182:43:12

 空から満充電までの時間は約2.3時間程度です
 説明書等の記載は3時間なのでかなり速いですね

9Vでの急速充電と5V3A充電は同時間で充電出来ます

 変だなと思いデータロガーを見ましたがおかしい所は無いです
 気になったのは9V充電では充電量が95%以降がやたら遅くなっています
 充電量95%以降のロスで満充電までだとほぼ同時間となる様です
 
入出力電圧別の効率について

 蓄電量は記載の30.4WhとしてUSB-PD側で変換率を出します
 括弧内は計測からの逆算値の容量で25Whとして見た変換率です

入出力 [VA]充電入力効率 [%]USB出力効率 [%]
12V 1.5A (18W)未対応48.1(58.5)
9V 2A (18W)99.1(81.5)50.5(61.4)
5V 2.6A (13W)102.9(84.6)59.1(71.8)
5V 1.9A (10W)103.1(84.8)69.9(85.0)

 入力効率があり得ない数字です
 5Vで充電時には100%超って電力増えとるがな
 新品の筈ですが既に内蔵バッテリーがヘタっているか容量がそもそも8000無いかですね

 出力効率が50%はものすごく悪いです

 急速出力時は本体がかなり熱くなります
 ポーチから出した状態でテーブル等に置いた状態で表面温度は57℃位です
 ポケットに入るサイズなのでカイロになりますね…

ここから他所では書かれていない?ウチのウリの部分


ここから記載する事はまったく問題にならない可能性があります

 私の所有する個体自体の問題や不具合又は故障の可能性もあります
 参考程度に読んでください

容量詐称か初期不良で実際の容量は表記の8割程度

 クラウドファンディングはチャレンジ企画の性格上色々無理してます
 容量も足りませんが出力効率がものすごく悪いです
 ハード設計が問題あるレベルですね

※参考 AnkerRoav8000mAhの数値を載せます

出力負荷 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]出力時間 [h:m:s]
QC12V 1A (12W)12.1423.5619362:03:06
QC9V 2A (18W)9.1123.1725441:18:00
QC5V 2A (10W)5.1122.3743742:17:36
充電入力 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]満充電時間 [h:m:s]80%充電時間 [h:m:s]
5V 3A (15W)5.1433.9366062:23:541:49:06
5V 2A (10W)5.0834.1667273:12:362:29:12

 Roav8000は内蔵バッテリーの接続方法が違うので直接比較は出来ません
 変換率を見ると出力が8割程度
 入力が9割程度なのでRoavの容量はあってます

 話は戻ってここからCOBY8000の入出力の実容量のお話です

 入力効率100%以上なら電気増えちゃいます
 逆に出力は5000mAhのモバイルバッテリーに限りなく近いです
 計測容量から内蔵容量を試算してみます
 入力と出力は5V1.9Aでの数値を使用します

 充電入力は29.48Wh
 出力放電は21.24Wh
 この数値から逆算します

 入出力に対しての蓄電量は1セルでの昇圧の場合は85%程です
 入力は 29.48Wh×0.85=25.06Wh
 25.06Whから電流値を3.8Vで計算すると6600mAh程度となります

 出力は 21.24Wh÷0.85=24.99Wh
 入力からの逆算値に近くなりました
 私は多分6600mAh+α程度の容量しか無いと思います 

 私の個体で内臓電池の容量は25Wh(6600mAh)程度とみるのが妥当です
 100gで5000mAhが基準になるので重量から考えると妥当な容量です
 フタを開けてみれば容量からみたら全然軽くありませんね

COBY8000の12V出力時は残量が少ないと電圧が低くなる

 COBY8000の残量が1/4以下になると12V出力電圧が低下する
 計測失敗かと思い2回程計測しましたが同じ挙動でした
 USB-CのPD出力とUSB-Aのクイックチャージ出力どちらも同じ様なグラフです


 USB-PD 12V出力で青線が電圧グラフです
 スマートフォンで12Vを使う機種等はほとんど無いはずなので問題は無いとは思います
 USB-C端子出力で12Vを使う場合はこの機種は避けた方が良いです

Lightning端子での5Vの充電は表記と違う

 Lightning端子での受電は5V1.8Aが上限でした
 表記は2.4Aとあるので全然違いますね
 Apple A1720の18WPD出力でMFI認証PD対応ケーブルで繋ぎましたが5V1.6Aでした
 Apple A1401の12W充電器と純正ケーブルでも試しましたが5V1.8Aでした
 何かコツあるんですかね?

USB出力中に電源ボタンを押すと出力が変わる

 USB-PD等USB高速充電出力時にボタンを1回押すと強制でUSB-PD 5V2.4A出力に切り替わります
 2回押すと出力停止となります

パススルー対応です

 パススルー対応でUSB-A端子側からのみ出力が可能です
 Lightning端子から入力時でもUSB-C側から出力は出来ません

統括 

 クラウドファンディング生まれのモバイルバッテリーはやはり癖強めですね
 iPhoneで使うならかなり良い物だと思われます

 ハード側が急速充電規格対して余力が無く使いづらいです
 5Vでの使用であれば普通に使えるというガッカリな仕様でした
 電池容量はハズレを引いたことにしておきます

 捜索は難航していますが見た目を無視して探すことにしました
 明らかなハズレ機種は避けていますが…どうしましょうかね?
 次辺りは当たりの筈です

 簡単なはずのUSB-PDの5V3Aに対応していない物ばかりですね
 私のスマートフォンで使えるUSB-PDで5V3Aの奴何処にいるかな?

 COBY8000は楽天等で2680円でも販売がありました
 iPhoneの方はお暇なら試してみて下さい 

 引き続き探してみます…続く

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿

謎はすべて解けた EASYLONGER YN-046P編

 個人で使うのにUSB-PD60W出力対応のモバイルバッテリーが1台必要になり前から気になっていたモバイルバッテリーを試してみることにしました ※クイックチャージはQCと略します  USB Power DeliveryはUSB-PDと略します  以前から稀に使っているSLU...