謎はすべて解けた HyperJuice 27000mAh USB-C モバイルバッテリー編

 最近ようやく見かける様になったUSB Power Delivery規格の上限値の100W出力のモバイルバッテリーを使っています


※Quick chargeはQC
 USB Power DeliveryはUSB-PDと略します

 USB-PDで60W出力が可能なモバイルバッテリーが1万円以下でいくつか見かける様になりました
 USB-PD 100W出力可能なモバイルバッテリーになると未だに2万円程度で高止まりしています
 販売されている物で私が知る限り2万円では

 AlsterPlus
 Mighty 100
 HyperJuice

 今回は詳しい仕様が公開されていないHyperJuiceの紹介です
 ユーチューブを見る限りではべた褒めです


 果たして100Wすんごいのかを試してみます
 入手はクラウドファンディングCAMPFIREにて支援金(15,000円位かな?)を出して見返りに送られたものです
 販売元は株式会社ロア・インターナショナル

 要約すると

 ×USB-PD最大出力は残量で変化する
 〇パススルーでの据え置き利用も可能

目次


仕様


型番 HJ307-GRAY
内蔵バッテリー容量 99.9Wh 27000mAh
充電入力電圧/電流 DC 5-20V 3A , 20V 5A
USB出力電圧/電流 100W USB-C PD3.0 DC 5-20V 3A , 20V 5A
60W USB-C PD3.0 DC 5-20V 3A
18W USB-A QC3.0 3.6~12V 18WMax
充電時間 最短 約1時間(100W充電器使用)
外寸 178×81×26mm
質量 660g
付属品 5A対応USB-C ケーブル,ポーチ

 製造元 : Sanho Corporation
 記事内ではHJ307と呼称します

サイズや重さ


 20000mAhクラスのモバイルバッテリーでよく見るサイズです


 上がHJ307下がOmars PowerSurge 20000です
 18650リチウムイオン電池が8本使用されているタイプは似たような大きさになります

本体表記部分



 私は気にしませんが気にする方が多いPSEマークはありますがPSEマーク付近に社名表示がありません
 購入?した時は本体に販売元表記が入ったPSEシールが貼られていました
 実は3ヶ月程使って既に壊れました
 保障期間内で新品交換になりましたが交換品はPSEの社名表示のシールは付いていません

デザイン等


 購入した物はスペースグレイというカラーです



 付属されているUSB Type-C to Cケーブルは50V5A仕様です
 実は初期不良で付属されていたケーブルのeMarkerが死んでいたのは秘密です

入出力端子部分



 写真左側の丸いボタンが電源スイッチ
 右側のUSB Type-Cポートが100W入出力端子になります
 左側のUSB Type-Cと真ん中のUSB Type-AがUSB出力になります
 右側のサークル状のランプは残量表示になっています

 各端子の出力は本体表記の通りでした
 急速充電規格の対応等


 左USB-PD100W端子
 中USB-A端子
 右USB-PD60W端子

 USB PD100W端子はクイックチャージにも対応しています
 クイックチャージ3.0にて6.2Vとありますが実際は5.0V-12.0Vでした
 100W端子のクイックチャージ要らないですよね?

 USB-A端子はファーウェイと各社アンドロイドとiPhone等のスマートフォンの充電に便利な急速充電に対応しています

 USB-PD60W端子は何も対応しておらず繋ぐ機器によって反応が変わります
 USB-PD出力等はオプションの12V以外は至って普通です


 左はUSB-PD100W端子側のPDO
 右はUSB-PD60W側のPDOになります
 USB-PD100W側は3A対応ケーブルでは20V 3Aまで通知されます
 5A対応ケーブルを繋ぐと20V 5Aの通知がきちんと出ます
 これは100%残量の表示ですが残量によって通知が変わります
 組み合わせ等は後述します

入出力の実効値


 USB Type-C側のUSB-PD出力ですが全容量の出力は出来ません
 残量が5%ほどから5V出力になり不安定になります
 USB Type-A側は全容量出力が可能でした

出力負荷 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]出力時間 [h:m:s]
20V 3A (60W)18.1082.2845461:29:12
15V 2A (30W)15.0378.2452062:31:30
20V 5A (100W)20.1484.9242171:11:12
USB-A QC2.0
9V 2A (18W)
9.0590.79100285:11:38
充電入力 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]満充電時間 [h:m:s]80%充電時間 [h:m:s]
20V 5A (100W)19.94111.4655741:49:360:55:00
20V 3A (60W)19.48103.4653112:22:301:24:00
15V 2A (30W)14.71105.1971474:06:002:48:42
9V 2A (18W)8.93112.48125996:41:575:02:40

USB-PD出力について

 残量によって出力制限があります
 USB-PDの100Wは全域では100W出力では使えません
 残量が減るにしたがって
 100W→87W→60W→30W→7.5W
 最大出力が下がっていきます(都度PDOを通知してくる)

 全量出力時の効率は9V2A出力時に90%とかなり良いです

USB-PD入力について

 充電入力100Wでの充電は流石の速さですが…
 謳い文句は最速約1時間で満充電と説明があります
 実機では1時間では8割強しか入ってません(8割入っていれば十分ですが)
 1時間50分は約1時間とは言わないですよね?

 DC入力効率は98%以上らしいです
 実機でも最大97%(20V 3A充電時)で実際に充電出来たのでかなり良いですね

 出力と入力変換の効率からの内部構造の予想ですが…多分ですよ?
 使われているリチウムイオン電池の接続方法は3.7Vの電池が4個直列接続されている物が2ペア(4S2P)だと思います

 60W充電でも十分に速いのでわざわざ高価な100WのUSB-PDアダプターは新規で用意しなくても良いと思います
 100Wアダプターより60Wを2個買う方が色んな意味で良いような気がします

ここから他所では書かれていない?ウチのウリの部分


ここから記載する事はまったく問題にならない可能性があります

 私の所有する個体および初期不良で良品と交換になったHJ307自体の問題や不具合又は故障の可能性もあります
 参考程度に読んでください

パススルーでの使用時の出力制限があります

 HJ307を充電しながら残り2ポートの出力端子から出力は可能です
 出力制限は使えるかは微妙な出力です

 USB-PD 60W側は30Wに出力制限
 USB Type-A側は制限無し

 スマートフォンが充電出来る程度です

USB-PD100Wポートの最大出力と容量の関係

 残量によってPDOを再通知して電力が変わるので非常に使いづらいです
 充電する機器によっては再通知のタイミングで入出力が反転したりする事があり実使用では全然ダメなモバイルバッテリーです

 私が購入?したロア・インターナショナルに出力の変化について問い合わせしていますが未だに回答が帰って来ません
 製造元からの返答待ちらしいです(多分無視されてる)

 と言う事で調べました

 出力出来た実測の電力から残量を算定しています
 全出力電力量は約79.3Whでした


最大出力可能負荷 [VA]出力電力量 [Wh]累計電力量 [Wh]残量 [%] 出力可能残量 [%-%]
20V 5A (100W)25.225.268.3100-69
20V 4.35A (87W)16.942.147.069-47
20V 3A (60W)25.167.215.347-15
20V 1.5A (30W)9.877.0315-3
5V 1.5A (7.5W)2.379.302.5-0

 計測値から恐らくの数値で書くと

 100W出力 100%-70%まで
 87W出力 69%-50%まで
 60W出力  49%-15%まで
 30W出力  14%-3%まで
 7.5W出力 3%-0%まで

 全容量の30%程度100Wで使える様です
 最大出力の100Wで出力可能な30%の使える部分は連続使用で15分程度です

複数ポート同時使用の出力制限

 合計出力制限があり出力の組み合わせによって各端子の出力が変わります
 一覧にしてみました

PDはUSB Power Deliveryの略
QCはクイックチャージの略

残量100W端子最大出力60W端子最大出力18W端子最大出力合計出力 [W]
100~70%PD100wPD60WQC18130W
69~50PD87WPD60WQC1890(93)W
49~15PD60WPD60WQC1875(78)W
15~3PD30WPD30WQC1830(33)W
2.5以下5V5VQC1815(18)W

 出力制限は発熱と寿命を伸ばす為の制御ですが高出力がほしい方は寿命なんか誰も優先しないです
 私が使っていた物も電池の寿命の前に制御部分が壊れたので出力制限要らない気がします

USB-PD 60W出力のモバイルバッテリーと比較

 60W出力のモバイルバッテリーは出力制限が無い物があります
 helperの60W出力のモデルH0113は全域60W出力が可能です

 HJ307で60W出力可能な電力量は67Wh
 helperの60W出力可能な電力量は61Wh

 HJ307は1万8千円位Helperの60Wは9千円位の価格です
 60W出力でも使えるモバイル機器ならHJ307は容量のアドバンテージが1割しか無く2倍のお金を払って買う必要はないです

他の100W出力が可能なモバイルバッテリーの出力制限

 小型のタイプで全域100W出力は存在しない様です
 ZENDURE SuperTankの出力制限
 50%まで100W出力
 49%以下は60W出力

 AlsterPlusの出力制限
 75%まで100W出力
 75%から20%まで60W出力
 20%未満は45W出力

 SuperTankは100W入力での充電時は発熱制限があり充電が遅いです
 SuperTankは60Wの充電と同じ時間で2時間20分程度かかります
 100Wはまだロマンですね

統括

 USB-PD100Wのみ対応の高入力機器(wacom mobilestudio pro 16等)以外は大抵USB-PD 60Wで供給可能な物が多いです(45W以下は供給速度に難あり)

 価格を考えると60Wの格安モバイルバッテリーを2個購入して使いまわしが良いと思います

  しかし実際はUSB-PD100Wのロマンとして1つは欲しいですよね(ネタとしてではなく)

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿

謎はすべて解けた EASYLONGER YN-046P編

 個人で使うのにUSB-PD60W出力対応のモバイルバッテリーが1台必要になり前から気になっていたモバイルバッテリーを試してみることにしました ※クイックチャージはQCと略します  USB Power DeliveryはUSB-PDと略します  以前から稀に使っているSLU...