ECOFLOW R600PRO ポータブル電源 基礎編

 非常用電源としても使えるポータブル電源を購入しました
 理想に近く初めて使ってみたいと思ったポータブル電源です

 2021年2月10日一部訂正
 2021年3月7日一部訂正

 前回記事の続きになります
 
※USB Power DeliveryはUSB-PDと略します

 導入のきっかけは数年前の北海道胆振東部地震での停電です
 最近では比較的安価にて高出力のポータブル電源が出てきました

 高容量で高出力のポータブル電源は弱点として充電が8時間程度かかる物が多いです
 最近発売の物は充電時間も短縮されて1時間~3時間程度の物が出てきました

 そんな中私の自宅の非常用電源として電化製品の使用条件にほぼ合致する仕様のポータブル電源の発売があるということで先行販売の物を購入しました

 購入はクラウドファンディングのkickstarterにて税込み58236円で購入しました
 日本で今後市販される物はRIVER PROとして税込み79800円で販売されています

 容量が少ないRIVERは39600円で販売されています


 日本で販売されるRIVER PROとは一部仕様が異なります
 記事では仕様が異なる部分は製品版の仕様も記載します


 要約すると

 △詳細設定はスマホとアプリが無いと出来ない
 △AC充電時の電力が安定しない(改善方法あり)
 △DC充電が200Wまで(350W位欲しかった)
 △AC充電の静音モードの充電が遅すぎる
 〇AC充電が速い(他機種が遅すぎる)
 〇X-Boost機能がある
 〇UPS機能がある
 〇静音モードの充電がほぼ無音
 〇ファームウェア書き換え機能で不具合が修正される
 〇かっこいい←大事

目次


仕様


型番 EF4-PRO
内蔵バッテリー768Wh,25.6V リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
充電入力電圧/電流    AC 100-120Vac(50/60Hz) 660W MAX
DC 10-25V 12A 200W MAX
出力電圧/電流    AC 100V×3 600W(瞬間最大1200W)
USB-A×2 DC5V/2.4A
USB-A FAST CHARGE 5V,9V,12V/2.4A 28W MAX
USB-C PD3.0 DC 5V,9V,12V,15V,20V/5A 100W
車載仕様電源ポート 136W 13.6V/10A
DC5521×2 13.6V 3A
充電時間約1.6時間(AC100V使用時)
外寸288 x 185 x253mm
質量8.3Kg(実測 8.5Kg)
付属品本体充電ACケーブル,車載充電ケーブル,MC4-XT60ソーラーパネル充電ケーブル,DC5521-DC5525ケーブル,マニュアル

 赤文字部分は実機を調べて多少違った所です


 記事内ではR600PROと呼称します
 マニュアルは英語表記ですがもし日本語の説明書が必要な方はECOFLOWのサイトからRIVER PROのマニュアルをダウンロードできます
 内容は追加機能以外は同じ事が書かれている様です


 

サイズや重さ


 RIVER,R600シリーズどちらも筐体は同じ様です
 見た目の違いはDCアウトプット部分のブランド文字の違いとX-Linkコネクターの有無程度です

 サイズは鉛バッテリーのD31サイズとほぼ同じです


 R600 PROの重量は実測で約8.5Kgでした
 市販されるRIVER PROは約7.2Kgです

 重量の違いですがRIVER PROは三元素リチウムイオンバッテリーに仕様変更されています
 三元素リチウムイオンバッテリーはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに比べてエネルギー密度が高く同容量で比較すると重量は軽くなります
 恐らバッテリーの部分で重量が軽くなったと思われます

本体表記部分



 出力表記は細かく記載されています
 R600 PROのバッテリー容量は768Wh(25.6V 30Ah)になります
 RIVER PROは内蔵バッテリー容量が720Wh(28.8V 25Ah)に変更になっています

デザイン等



 表面は艶消しです
 残量表示は%表示で見やすいです


 色は本体がつや消し黒持ち手がシルバーです
 日本で市販される色も同じものになっています

入出力端子部分


 出力は全部で10か所あります


 正面右側は自動車等のアクセサリーソケットと同形状で10Aまでの出力になっています
 アクセサリーソケット下部のピンコネクターは外径5.5mm内径2.1mmのコネクターになっています

 真ん中の4つはUSB出力端子です
 右側はUSB-A端子でクイックチャージ充電規格対応
 真ん中2つはUSB-A端子で5V 2.4A出力に対応
 左側はUSB-C端子で USB-PD規格に対応で最大100W出力に対応


 左 USB-Aの対応出力
 右 USB-A FAST CHARGEの対応出力


 左 USB-Cの対応出力
 右 USB-PDのPDO

 USB-AとUSB-Cの対応充電規格はAuto Enumerateの通りです
 規格通りですがFAST CHARGEの出力は9V,12Vとも2.4Aの出力が可能です
 12Vは1.5A迄の物が多いのですが12Vでも2.4A(28W)の出力が可能です

 USB-C側はUSB-PD規格以外に対応していませんでした
 USB-PDですが15V以下では3Aが通常ですが説明書や本体記載通りすべて5Aの出力に対応しています
 20V以外でもeMarker搭載の5A対応のケーブルで実際に出力出来ました
 めずらしいですが…使うかな?

  向かって右側面にはAC100V出力とR600シリーズを2機つなげて1200W出力で使えるようにするX-Link用のパラレルアウトレットポートがあります


 日本販売のRIVER PROにはパラレルポートはありません


 2機を同期接続する機能は便利だと思いますが市販の製品版では機能が廃止されたようです

 入力は向かって左側にあります


 右はXT60端子のDC入力端子になります
 入力電圧は直流で10Vから25Vまでです


 左側はAC入力で100Vから120Vに対応しています
 R600,RIVERシリーズのウリでもあるUPSの入力も兼用しています
 充電容量99%以下の設定にすると無停電装置(UPS)として使用可能です

入出力の実効値


 出力はUSB-C端子側とAC100Vの出力を計測
 入力はAC100VとDC 200W(24V 9A)のみ計測
 USB-C端子側はUSB-PDの20V5A出力にて60Wから100W可変でPDと記載
 AC100Vは260W出力で計測

出力負荷 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]出力時間 [h:m:s]
PD20V 5A (100W)20.08715.4835630   
AC100V 50Hz
(260W)
100.2
600   2:20:00
充電入力 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]満充電時間 [h:m:s]80%充電時間 [h:m:s]
AC100V 50HZ(620W)101.7940   1:30:090:56:06
DC24V 9A(200W)24.0      4:02:322:50:54

 DC24V入力にて充電すると約200W充電になり空から満充電までの時間は約4時間です
 充電完了寸前まで200Wで入力され約2分で1%上昇します
 自動車のアクセサリーソケットの場合は約100~120Wでの入力になり満充電までは約7時間程度かかります

 家庭用AC100入力にて空から満充電までの時間は仕様通り1時間で82%蓄電されました
 残量80%位までは約40秒で1%上昇します

 充電の変換効率は100%ではない為入力されている電力は表示パネルとは違います
 表示パネルはバッテリーの入出力の電力表示になります

 参考
 DC200W入力表示時の入力電力は約216W(24V 9A)
 AC620W入力表示時の入力電力は約730W

入出力電圧別の効率について

 蓄電量は768Whとして変換率を出します

入出力 [VA]充電入力効率 [%]出力効率 [%]
DC20V 5A (100W)   93.2
AC100V81.778.1

 AC出力では8割程度の変換効率で大体600Wh程度が使える様です
 充電効率も大体8割程度の様です

ここから他所では書かれていない?ウチのウリの部分


ここから記載する事はまったく問題にならない可能性があります

 私の所有する個体自体の問題や不具合又は故障の可能性もあります
 参考程度に読んでください

初期ファームではAC充電が安定しない

 INVファームウェア 1.1.2.59ファームに書き換え後不具合は治りました

 620W~660Wでの超高速充電で1時間の充電で8割以上充電されます

※ここから初期ファームの動作です

 初期ファームでの不具合ですが充電時の表示が300W~670Wの間で振れてしまい不安定になります


 ECOFLOWのサポートに連絡済みですが本体のファームをアップデートすると直る個体があるそうです(実際にファームのアップデートを案内されました)
 
 RIVER MAXやRIVER PROでも振れる症状は出る様です

X-Boost機能がある

 600Wを超える電化製品でドライヤー等がこの機能で使えるようになるものがあります
 定格900W位までなら問題無く使える様です
 1200Wギリギリではきちんと動かない場合がある様です

UPS機能がある
 パススルー充電との違い
 
 AC電源投入時にはAC電源出力は入力されたAC電源がそのまま出力されています
 ポータブル電源は入力されたAC電源を使ってバッテリーヘの充電も行っています
 UPSモードではAC出力は内部で変換されていない為AC出力を使っていても充電スピードは変わらずです

 充電電池容量100%設定ではパススルー充電となります

初期ファームの静音モードのファンがうるさい

 INVファームウェア 1.1.2.59ファームに書き換え後不具合は治りました

 静音モード充電時はファンはほぼ停止しています
 ファンが回っていてもかなり静かで動いているかわからない位です

※ここから初期ファームの動作です

 静音モードは約110W程度での充電に切り替わるモードですが正直うるさいです
 通常充電時のファンスピード切替を調べてみましたが330Wでの充電時と110W充電時では速度は同一の様です
 400W位から高速で廻る様なのでせめて300W充電にしてほしいです

 DC充電時は静音モードのファンスピードは変わらず全く意味が無いです
 DC充電にて80W程度の入力までならファンは廻らない様です

 80W入力か330W入力のどちらかで仕様変更してほしいですね
 ファーム書き換えができる機種なので可能なはず

スマホとアプリが無いと設定が切り替えれない

 一旦設定すれば変更の必要はありませんがスマホが無いと機能設定が出来ません


 スマートフォンを使っていない世代の人は機能の一部を使えないことになります 

 かなり古いスマートフォン(Android4.4以降)も使える様なので無い場合は中古のスマートフォンを用意する必要があります

非常用電源として使うならAC又はDC充電の充電設備が必要

 自動車の12V電源でも良いのですが0からの充電時間が7時間は掛かり過ぎです
 ソーラーも悪くないのですが天気に左右されます

 次回は200Wで充電出来るDC-DCインバータの組み立てと結線です

 調べて分かっている事等は詳細編に続きます

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿

謎はすべて解けた EASYLONGER YN-046P編

 個人で使うのにUSB-PD60W出力対応のモバイルバッテリーが1台必要になり前から気になっていたモバイルバッテリーを試してみることにしました ※クイックチャージはQCと略します  USB Power DeliveryはUSB-PDと略します  以前から稀に使っているSLU...