ECOFLOW RIVER&R600 車載で200W充電をする

 ECOFLOW RIVER,R600ポータブル電源は自動車のアクセサリーソケットでも充電出来ます
 しかし充電時間7時間は実用的ではないので高速化します

2022.6.9 追記

 自動車の電源での充電は12V電源を使って充電しますが120W程度の入力になり時間が掛かります

 今回作成する物はXT60端子を使うポータブル電源はそのまま使用可能です

 ECOFLOW RIVERシリーズ
 ECOFLOW R600シリーズ←動作確認済
 ECOFLOW EFDELTAシリーズ←動作確認済
 ECOFLOW DELTA Miniシリーズ
 ECOFLOW DELTA Maxシリーズ
 Anker 757 Portable Power Station←動作確認済

 ECOFLOW5機種はXT60での入力になっています
 Anker 757 Portable Power Stationは24V9Aでの入力になります

 コネクターを替えれば他のポータブル電源でも使えますが入力電圧が入力上限以下である事を確認してください
 またポータブル電源の入力電流が15Aまでの物に限ります
 15A以上の場合はリレーとDC-DCコンバーターの容量を増やす等定数を変更してください

目次


200Wにする為の原理


 ECOFLOWの3機種は入力時に流れる電流の最大値が10A程度になっています
 自動車の電源では12V10Aで120Wが上限になります
 この場合電流が10Aが上限なので電圧を上げれば電力が上がります
 電力は電圧[V]×電流[A]で計算出来ます

 電圧を上げるには特に難しい事は無く原理としては自動車のバッテリー電源を昇圧出来るDCコンバータで電圧を上げるだけです

 RIVERとR600シリーズのDC入力電力は最大200W
 電圧は最大25Vまでと記載されています
 (EFDELTAはDC入力電力は最大400W電圧は最大65Vまで)
  
 自動車の発電機への負担ですが自動車のアイドリング時の発電機の余力とほぼ同じ程度になります
 発電機の発電量は車両の電装品を使っていない状態である程度余力があります

 車種ごとにかなり違いますがアンドリング回転数で10~30A(120~360W)程です
 走行時等で1500回転以上で40~80A(480~960W)程度です
 200W+α程度の電力では極端な負荷にはならない様になっています

 200Wで充電する為に用意する物を紹介します

1.昇圧コンバーター

 25V以内でDCコンバータを探すと24Vの物が低価格で手に入る様です
 EFDELTAは48Vのコンバーターで約400Wになりますが価格が5倍ほどになる様です

2.電力供給ケーブル

 自動車のアクセサリー電源は120W程度が上限になり制作する物は280Wほど必要になり電力が不足します
 自動車のバッテリーから直に配線を通す必要があります

 結線には電工ペンチと各種端子とはんだコテ等が必要です

3.IG(ACC)連動用リレー

 ポータブル電源の充電電力は大きくエンジンが動いている時以外は電力供給を停止する必要があります
 アクセサリ電源連動でも良いのですがエンジンをかけ忘れた時にバッテリー上がりの原因になる為IG ONに連動する様にした方が良いです
 昇圧コンバーター自体は充電に使っていなくても微量ですが電力を消費します
 昇圧コンバーター手前で12Vリレーを使って電力をON-OFFします
 

昇圧コンバーターの選定


 探す物は入力が10~15Vで動き出力が24V10A以上の物になりますが注意する点があります
 24V10Aが最大値の物では余力が無く連続では使えない場合があります
 目安として最大出力の80%を超えないような物が良いと思います
 余力が大きすぎても意味が無いので目安として最大出力の50%以上の物を選びます
 電流値で表すと24V13A以上で20Aまでの物になります

 製作には24Vのコンバーターで電流出力が15Aのファンレスの昇圧コンバータを選びました


 ファンレスなので据え置きで熱が籠る場所では使えません
 私の場合は複数車がある為脱着出来る様に製作しました
 使用時はR600PROの排気ファンの風を当てるようにしています
 車両に据え置きにするならファン付きの方が良いかもしれません


結線する配線等の選定


 アクセサリーソケットの電力では不足する為車両のバッテリーから電源を取る必要があります

 結線をしますが配線は余力が少ないと発熱します
 また配線が長くなるので40Aに対応する物が良いです
 車両によりますが6mあれば間違いなく足ります
 配線の太さは5.5sq又は12AWG以上のケーブルを使います



 加工が大変な40Aヒューズが初めから付いたケーブルが売っています
 8sqケーブルと後述のブレーカを使わない場合はコレが使えます

 配線の接続はギボシでは太すぎて無理です
 バッテリーの接続とアース端子部分は丸形端子を使います
 圧着工具は力に自信がある方はギボシをかしめる工具でも使えますが専用の物が良いです

 車両のバッテリー端子によりますが5.5sqの配線では丸型端子はR5.5-8又はR8-8の大きさになると思います


 ECOFLOW5機種ともDC入力はXT60コネクターが使われています
 8sqのケーブルを使う場合車両側はXT90コネクターを使います

 

 XTコネクターと配線の接続ははんだ付けになります
 30W以上のはんだコテとはんだを用意します

 配線が万が一ショート等した時の為にヒューズ又はブレーカーを取り付けます
 ヒューズでも良いのですが私はスイッチの代わりに使えるブレーカを付けています
 ケーブルの許容電流以下になる様な容量の物を用意します


 昇圧コンバーターとポータブル電源の間に使う配線ですが流れる電流は最大で15Aです
 配線も長くならない為20A流せる配線で大丈夫です
 配線の太さは2sq又は16AWGのケーブルを使います


 配線は近所のホームセンター等で計り売りしている物が価格も安くムダにならないです
 結線の自信の無い方は自動車修理工場又は電装品取り付け業者にお願いした方が良いです

IG(ACC)連動リレーの選定


 リレーを使って電力をON-OFFしますがアイドリングストップ搭載車はポータブル電源を充電する時はアイドリングストップを切る必要があります(バッテリー保護の為)

 万が一切り忘れてアイドリングストップが働いた場合は車両バッテリー電圧が下がり昇圧コンバーターは電力を確保する為に流れる電流が増えます

 エンジン再始動時がもっとも電流が多くなります
 実測でエンジン再始動時に電流は約26A程流れていました
 実測値からリレーの許容電流は30Aの物が必要です
 
 

自動車側の結線


 流れる電流が大きくIG ONの結線も知識が必要になります
 無理せずプロに任せるのが良いと思います

 結線前にバッテリーの-端子を外してから作業をします(ショート防止です)

 作業方法等詳しくは書きませんが車両バッテリーの+側のみ昇圧コンバータの設置場所まで引き出します
 バッテリーの+端子に取り付けられるように丸型端子を取り付けて取り付けます


 室内に引き込めるように細工をして配線を通します


 ヒューズやブレーカーはバッテリー取り出し部分からなるべく近い場所に設置します


 またブレーカーは設置付近の温度の影響を受けます
 エンジンルーム内で走行風があまり当たらずエンジンの熱が伝わらない場所に設置します

 振動で配線が擦れてショートしない様に必要に応じて固定します


 なるべく最短距離で仮結線し配置が決まったら余った配線は必ずカットします
 後部座席足元に配線を引き出してXT60メスコネクターを取り付けました
 写真は1コネクターで脱着出来る様にXT60からMR60に変換しています


 8sqの配線の場合はXT90コネクターになります


 ギボシの配線はIG ONの配線です

 -側はボディアースで取ります
 特に充電制御等が付いている車両は必ずボディアースで接続します
 ボディアースの接触が悪いと発熱します
 接続後動作している時に発熱していないか必ず確認してください

IG ON線の結線

 車両により取り出し場所が違う為車両メーカーの配線図等を見て結線します
 エンジンスターターが付いている車両であればエンジンスターターの電源線を探すとIG ONの信号線が見つかります

コンバーターとリレーの接続


 選定の所で出しましたがエーモンの30Aリレーが安かったので実態配線はこのリレーを使って説明します


 コネクターで脱着出来る様に制作していきます
 いきなり完成写真から


 説明文中に写真が無い所は簡単なので完成写真を見てください

1.リレー接点と昇圧インバーターのIN側+に繋ぐ

 リレーコネクターの赤線をコンバーターの赤線に接続します
 はんだ付け等で接続します

2.リレースイッチングコイルとインバーターのIN側-に繋ぐ

 リレーコネクターの黒線をインバーターIN側黒線に接続します
 この配線は後で車両のアースに接続します

3.昇圧インバーターのOUT側の配線2本をXT60-Fに繋ぐ

 ポータブル電源に繋がる部分でXT60のメスコネクターに繋ぎます
 直接つなぐと配線が短すぎる為必要量延長します


 私は最短距離で50cm延長しました
 XT60コネクターには極性のマークが付いています


 -側は差込口側面が三角形になっている側です

4.リレー接点とアースを車両電源と接続する

 車両と接続する電源コネクターになります
 必要に応じて延長します


 延長する場合は3sq以上の配線を使います
 私は最短距離で10cm延長しました 

 リレー接点をコネクター+側に繋ぎます
 リレーコネクターの黄線をXT60のメスコネクター+に繋ぎます

 2.で接続した配線をコネクター-側に繋ぐ
 昇圧インバーターIN側黒線をXT60のメスコネクター-に繋ぎます

5.リレーコイル駆動電源をIG ON線に接続する

 車両のIG ONに繋ぐコネクターになります
 必要に応じて延長します
 私は最短距離で10cm延長しました 

 流れる電流が少ない為ギボシ接続でも大丈夫です
 リレーコネクターの青線をIG ONの線にキボシで繋ぐ

 私は1コネクターで脱着出来る様にMR60で接続しています


ここから追記

6.24V出力線に15Aヒューズを取り付ける(必要に応じて)

 据え置きで取り付ける場合は念の為出力線に15Aヒューズを入れてください
 私は使用時のみ接続するのでヒューズは付けてはいません
 据え置きの場合で端子保護をしていない場合は異物混入でショートする場合があります

追記ここまで

動作確認と実機の設置


 動作確認をしてきちんと動けば設置と収納をしていきます
 私の場合は2台の車で使いまわせる様に1コネクター脱着に変更しています


 ファンレスの昇圧インバータにRIVER,R600の排気の風が当たる様に立てて置ける様にフタが開くケースに入れています

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