謎はすべて解けた ZENDURE SuperTank 2022年版

 ロングセラーのZENDURE SuperTankがマイナーチェンジしました
 色々変わった様なので動作確認のついでにテストしてみます

※クイックチャージはQCと略します
 USB Power DeliveryはUSB-PDと略します

 SuperTankは2019年9月に日本国内での販売はありませんが当時kickstarterにてクラウドファンディングで入手しました
 その後製品版が出て今も販売されています
 2022年初頭から内部が変更になりマイナーチェンジしたという事です
 どう変わったのか気になり入手しました



 マイナー前の製品版と比較もしていきます
 マイナー前の記事です
 お暇なら見てやってください


 パッケージは微妙に変更されていました

 要約すると

 ×100W入力での充電は温度制限が厳しくなりさらに遅い(100W→80W→60Wに制限)
 ×60W出力端子が入出力端子に変更になった
 ×電源ボタン長押しのパワーロールスワップ(PR_SWAP)モドキは癖があり切り替わらない
 〇USB-PD最大出力は本体内部の温度で変化する
 〇パススルーでの据え置き利用も可能

目次


仕様


型番 ZDA8PDP
内蔵バッテリー容量 99.16Wh 26800mAh(14.8V 6700mAh)
充電入力電圧/電流 USB-C PD100W DC 5-20V 100W MAX
USB-C PD60W DC 5-20V 60W MAX
USB出力電圧/電流 USB-C PD100W DC 5-20V 100W MAX
USB-C PD60W DC 5-20V 60W MAX
18W USB-A 5-12V 18W Max
15W USB-A 5V 15W Max
充電時間 3時間かからない位
外寸 120×74×42mm
質量 528g(実測 521g)
付属品 5A対応USB-C ケーブル,ステッカー


 記事内ではマイナー後と呼称します
 比較に使う方はマイナー前と呼称します

サイズや重さ


 見た目では仕様表記部分が違いますが製造時期の違いで表記が違うようです


 見た目の違いはなくシリアルナンバーの表記部分が違うくらいです
 重量ですが差が5gしかないので同重量だと思われます

本体表記部分



 上がマイナー前SuperTankの表記です


 マイナー後は細かく表記されています
 定格出力は5Vにて17000mAhと記載されています

デザイン等


 黒の艶有りでZENDURE伝統のスーツケースデザインです
 シルバーモデルも艶ありです


 ケーブルはブラックには黒いケーブルが付属されていました
 シルバーには灰色のケーブルが付属されています
 USB Type-C to CケーブルはUSB2.0 20V5A仕様です

入出力端子部分



 写真上側の丸いボタンが電源スイッチ
 左側のUSB Type-Cは100W入出力端子になります
 右側のUSB Type-Cは60W入出力が可能な端子になっていました
 表示上は出力ですが良いのか悪いのか賛否分かれますが変更になっています

 上段のUSB Type-AはUSB出力になり右側の緑端子側はクイックチャージ出力に対応です

 電源ボタンを2回押すと低電力機器を繋いだ時に給電が止まるのを防ぐXモードになります
 出力専用USB-C端子が入出力に変更になっており私の使い方では改悪になっていました

 そもそも出力専用端子の表示があるのに入力になっている事自体が問題ありです
 USB-C出力専用端子は電力の流れが逆流しやすいラップトップの充電時に役に立つことがあります
 マイナー後はUSB-Cは2端子とも入出力に変更になっており挙動も変わっていました

 各端子の出力は本体表記の通りでした
 急速充電規格の対応等

 

 左USB-C端子とUSB-A 18W端子
 右USB-A 15W端子

 マイナー後は急速充電が出来る端子は全て同じ対応規格に統一されていました
 USB-A 15W端子以外はクイックチャージ以外にファーウェイ,サムスン,iPhoneのスマートフォンの充電に便利な急速充電に対応しています

 USB-PD出力のPDO

 

 左USB-C 60W端子
 右USB-C 100W端子

 USB-PD100W側は3A対応ケーブルでは20V 3Aまでの通知になっていました
 5A対応ケーブルを繋ぐと20V 5Aの通知がきちんと出ます
 マイナー前はPDOの通知は残量で変化していました
 マイナー後は残量の制限は無くなりましたが新たに本体温度による制限が2段階に変更になっています
 通知の可変等は後述します

入出力の実効値


 数値ですが充電時間の比較のため括弧内の数値はマイナー前の充電時間になっています
 充電時間は大幅に遅くなりました
 補充電でのみ100W充電の速度が生きるのみとなりました

出力負荷 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]出力時間 [h:m:s]
20V 5A (100W)19.7876.8138841:20:00
20V 3A (60W)19.5770.2235891:14:24
20V 2.25A (45W)19.9179.0239681:43:30
15V 3A (45W)14.8682.9855851:57:12
12V 3A (36W)11.8585.3671872:39:18
5V 3A (15W)5.1087.32171906:15:12
充電入力 [VA]平均電圧 [V]電力量 [Wh]容量 [mAh]満充電時間 [h:m:s]80%充電時間 [h:m:s]
20V 5A (100W)19.60111.6956983:05:50
(2:13:12)
1:24:00
(1:20:42)
20V 3A (60W)19.92109.3854893:24:00
(2:25:06)
1:36:20
(1:26:30)
20V 2.25A (45W)19.85102.9851893:31:00
(3:01:00)
1:56:00
(1:51:54)
15V 2A (30W)14.79103.6270194:23:362:50:36
9V 2.2A (20W)8.94108.91121816:55:304:51:20

 20V5A出力は温度制限が掛かりました
 満充電までの充電時間は採用されているバッテリーの仕様に合わせた制限の様です
 80%蓄電までなら充電速度はほぼ変わりません
 出力には強いが温度制限が厳しくなっています

 従来からある5V充電器での蓄電は5V3Aでの入力に対応しています
 マイナー前は1Aでの蓄電で使い物になりませんでしたが使える程度に改良になっています

USB-PDの出力について

USB-PD100W端子側単独出力
 残量表示による制限はありません
 温度による制限があり60W出力になる様にPDOが再通知されます
 さらに温度が上昇すると45W出力になる様にPDOが再通知されます
 説明書等にはもちろん書かれてはいません

USB-PD60W端子側単独出力
 残量表示による制限はありません
 温度による制限があり45W出力になる様にPDOが再通知されます
 説明書等にはもちろん書かれてはいません

 複数同時出力は制限値が違います
 出力別の組み合わせは後述します

USB-PDの入力(充電)について

 充電入力100Wでの充電は温度制限があります
 内部温度上昇で安全装置が働きます
 室温22℃ 湿度60%の環境にて動作確認しましたが充電開始から約16分で制限が掛かりました
 制限値は80Wでの充電に切り替わります
 そのままさらに温度が上がり充電開始から約32分で制限が掛かりました
 制限値は60Wでの入力になります
 その後60Wで安定して蓄電が続きました

 通常使用での60W入力時は温度上昇による制限は掛かりませんでした

SuperTank単体での充電について

 100Wでの充電と60Wでの充電はマイナー前と同じでほぼ同時間になります
 高価な100Wアダプタを新規で買う必要はありません

 最近流行の120Wアダプタを用意してSuperTankとモバイル機器を別々に充電した方が効率が良いです
 モバイルバッテリーの充電のみなら100Wになるので意外と便利です



 どちらの充電器も使っています
 自宅の1階と2階にそれぞれ1台配置すると他の充電器が必要なくなりました

入出力電圧別の効率について

 蓄電量は記載の99.16WhとしてUSB-PD側で変換率を出します

入出力 [VA]充電入力効率 [%]USB出力効率 [%]
20V 5A (100W)88.877.5
20V 3A (60W)90.770.8
20V 2.25A(45W)96.379.7
15V 3A (45W)   83.7
15V 2A(30W)95.7未計測
12V 3A (36W)   86.1
9V 2.2A(20W)91.0未計測
5V 3A (15W)未計測88.1

 入力効率は約95%以上とかなり良いです
 出力効率も最高が約88%程度になります
 入出力効率から見て内蔵容量は表記通りであっています

ここから他所では書かれていない?ウチのウリの部分


ここから記載する事はまったく問題にならない可能性があります

 私の所有する個体および故障により交換になったSuperTank自体の問題や不具合又は故障の可能性もあります
 参考程度に読んでください

USB端子各出力の関係

 138Wの出力を各端子で分割します

100W端子最大出力60W端子最大出力18W端子最大出力15W端子最大出力合計出力 [W]
100W   15W
(USB-A合計15W)
15W130W
60W60W
15W
(USB-A合計15W)
15W   130W
      18W
   18W

 何故かUSB-AのQCが単独時しか有効になりませんでした
 故障しているのかもしれません

統括 

 価格が高く正直オススメはしません
 同仕様で価格の安いコレなら良いかと思います


 仕様やレビューの癖等を見るとマイナー前と全く同じ癖や欠陥があるので恐らく同一品です
 セールで時々9980円程になることが有るので気になる方は癖ありまくりですが是非

2 件のコメント:

  1. 残量50%になると出力が60Wに制限されたり100Wだと過熱で入出力共に使えなくなったりしたので色々調べた結果こちらの記事にたどり着きました。
    せめて公式サイトに注意書き程度でもいいので書いてあって欲しかったです…
    100WでPCに給電したかったんですけどね…

    返信削除
  2. コメントありがとうございます

    imutoの物とマイナー前は書かれた通りの制限があるので使いづらいですよね
    マイナー後は温度制限のみになりましたが出力ポートが変更になってさらに使いづらくなりました

    今となっては他の物で常時100W出せるモバイルバッテリーが出てきました
    今となってはこのバッテリーの存在価値はなくなりつつあります

    返信削除

注目の投稿

謎はすべて解けた EASYLONGER YN-046P編

 個人で使うのにUSB-PD60W出力対応のモバイルバッテリーが1台必要になり前から気になっていたモバイルバッテリーを試してみることにしました ※クイックチャージはQCと略します  USB Power DeliveryはUSB-PDと略します  以前から稀に使っているSLU...